【概要】意外と知らない?ニュージーランドの基本情報
◇ニュージーランドの基本情報
●国名:ニュージーランド[New Zealand][豪]
●公用語:英語、マオリ語、手話(2006年以降)
●人口:約504万人(2019年12月統計局)(日本の約25分の1)
●面積:27万534平方キロメートル(日本の約4分の3)
●通貨:ニュージーランドドル
●日本との距離:日本から飛行機で約11時間
●時差:+3時間(日本より3時間早い。サマータイムでは+4時間に。)
●首都:ウェリントン(北島の南端にある国内で2番目に人口の多い都市)
●多民族国家:欧州系(70.2%)、マオリ系(16.5%)、太平洋島嶼国系(8.1%)、アジア系(15.1%)、その他(2.7%)※1
南太平洋に囲まれた、北島と南島の主に2つの島からなる島国、ニュージーランド。南北に細長い四季のある国です。ニュージーランド最大の都市・オークランドは南緯36度、東京は北緯35度なので、赤道からの距離もちょうど同じくらい、火山地帯にあり温泉も多いなど、何かと共通点があります。
ちなみに、ニュージーランド在住の日本人は約2万人、日本在住のニュージーランド人は約3,000人だそうです(2021年時点)。
※1:2018年国勢調査による。(注)混血等により複数回答者がいるため合計は100%を超える。
◇高品質でおいしい!世界屈指の農業・畜産・酪農・漁業大国
ニュージーランドといえば「キウイ」のイメージがありますが、それだけじゃないんですよ!小麦などの穀物、ブドウやアボカドを始めとする多くの果物・野菜、牛肉やラム肉などの肉類、天然のサーモンやムール貝を代表とするシーフード、チーズなどの乳製品etc…。さまざまな豊かな自然の恵みを世界中へ輸出しています。
食品自給率も驚異的で、穀物は約250%、野菜・果物は約203%、肉類は約335%、魚介類は約625%。(その理由は、収穫量が多いからなのはもちろんですが、人口が少ないからという点も大きく関係しています。)
そんなニュージーランドでも、日本と同様に、農業等の担い手の高齢化や人手不足が課題となっており、「スマート農業」への取り組みが進んでいるとのこと。作業の無人化のためのロボット、土壌のセンシングや管理、アプリを使った農業経営効率化のためのシステム開発などの新しい技術を積極的に導入し、これらの分野で優れたニュージーランド発のベンチャー企業が続々と現れているそうです。
【教育】子どもたちのスクールライフは?
◇フレキシブルな教育制度
ニュージーランドの義務教育は6~16歳なのですが、5歳から小学校へ入学できるようになるため、ほとんどの子どもが5歳の誕生日の翌日から学校へ通い始めるそうです。だから、入学時期はみんなバラバラ。入学式もありません。そして、16歳の誕生日を過ぎると義務教育は終了となり、そこから先は任意での就学に。「一斉に」ではなく、「個別に」という印象を受けるこの教育制度ですが、これは授業スタイルやカリキュラムにも表れています。
英語、マオリ語、手話の3つを公用語とし、移民も多いニュージーランドではありますが、公立小学校の授業はほぼ「英語」で行われます。教育省の定めるカリキュラムに沿いながら、それぞれの学校ごとに時間数も含めて独自のプランを設定できるので、地域の特性や、生徒一人ひとりの英語レベルにあわせて、レベル別に受けられる英語の授業やマオリ語の授業に力を入れる学校もあるなど、柔軟な語学教育を展開しているのが特徴です。
◇一人ひとりを大切にする、公立小学校の「英語」の授業
ニュージーランドの公立小学校の英語の授業は、主に、リーディング、ストーリーライティング、オーラル・ランゲージ、ハンドライティング、スペリングの5つで構成されています。英語は公用語の1つであっても、子どもたちの英語レベルはさまざま。レベル別に4~5人ずつのグループに分かれて、自分のレベルにあった英語の授業をしてもらうことができます。他の授業を受けるのにも、生活をしていくのにも、英語はその基礎となるため、「少人数制×能力別」の丁寧な授業を大事にすることで、子どもたち一人ひとりの学びをサポートしようという姿勢が感じられます。
◇NZには、給食がない…
残念ながら、ニュージーランドの公立校には給食がありません。子どもたちは家から昼食を持参するのですが、まるごとのリンゴやバナナ、ヨーグルト、サンドイッチなどの簡単な軽食が一般的です。
【暮らし】自然体でいたい。驚きのNZ流ライフスタイル
“100% Pure New Zealand”
近年よく見かけるようになったこのフレーズは、ニュージーランド政府観光局が1999年から行っているブランディングキャンペーンの名称。手つかずの大自然や、そこで育まれてきた豊かな文化、ありのままに生きる大らかで親しみのある人々が、ニュージーランドの魅力であることを表現しています。唯一無二の体験ができる観光地としても有名ですが、そこに暮らす人々はどんな日常を送っているのでしょうか?
◇働き方にも「プライベートの豊かさ」を求めて
家族と過ごす時間や、余暇を楽しむことを心から大切にするニュージーランドの人々。仕事にプライベートを左右されたくないという考えから、年齢や男女を問わず、パートタイマーとして働くことを選択する人が多いそうです。雇用者側もそれをよく理解しているため、レストランがクリスマスに10日以上も休業するなんてことも普通のことだとか。ハイシーズンの売上よりも、従業員が家族との時間を過ごして幸せであることのほうが大事。こうした日本の通例とは大きく異なる国ごとの背景を知っておくことは、やはりすごく重要ですね。
◇年中「半ズボン」、どこでも「裸足」、「傘をささない」はあたりまえ
ニュージーランドを訪れた外国人が驚くことの上位に必ず入ると思われるのがこちら。
その①:四季があっても一年中「半ズボン」率が高いこと。
その②:行き先問わず。靴を履かずに「裸足」で出掛ける人が多くいること。
その③:天気予報なんて関係ない。雨が降っても「傘をささない」こと。
寒い冬には「ダウンジャケット × ショートパンツ」なんていうのもあるあるだとか。外出する時も家にいるのと同じようにリラックスしたい、ラクでいたい、というのが理由にあるそうです。裸足や傘をささないことにも当てはまりそうですが、空気や大地、雨風でさえも自然を肌で感じて生きていたいという気持ちが根底にあるのかもしれませんね。
◇観るのも、するのも!スポーツがとっても大好き
「ラグビー」「クリケット」「セーリング」が、ニュージーランドの三大人気スポーツ。どれもが世界の強豪国として活躍し続けています。プロの試合シーズンには、スタジアムやスポーツバーで、テレビの前で、みんなで熱狂的に大盛り上がり!
また、街に1つはラグビーやクリケットができる公園やグラウンドがあり、子どもの頃から地域の人と一緒にさまざまなスポーツをして楽しんでいるそう。その他にも、世界のトップコースに選ばれているゴルフコースがいくつもあったり、人口に対する小型船舶の保有率が世界最大だったりと、陸でも海でもスポーツに気軽に親しむ環境が整っていることから、放課後や仕事の後、週末など、たくさんの人がそれぞれにスポーツを楽しむ日常を過ごしています。
【食文化】欧州文化と大自然の恵みが、NZのおいしい日々をつくる
かつてはイギリスの植民地であったことと、欧州系が人口の7割ということもあり、食生活はヨーロピアンスタイルが主流。朝食は、シリアル、パンと目玉焼き・ソーセージ・焼きトマト・ベイクドビーンズなどが典型的で、フィッシュアンドチップスや、ラム肉の料理なども多く食べられています。また、畜産大国ということもあり、ニュージーランドの人々はバーベキューも大好き!週末には、ラム肉や牛肉、鶏肉などのバーベキューを囲みながら、家族や友人との時間を楽しみます。
◇NZらしさを感じるフードたち
●パン文化とマーマイト
ニュージーランド人にとって、パンは食卓に欠かせない存在。スーパーのベーカリーコーナーの品揃えの多さは目移りするほどで、街中にもパン屋さんがあちこちに。パンのディップには、ピーナツバターとマーマイトが定番です。「マーマイト」とは、イギリス発祥のビール酵母を主原料とした発酵食品で、鉄分、ミネラル、ビタミンなどが豊富。強い香りと、濃いめの独特な味わいが特徴的です。
●アボカドオイル
アボカドもニュージーランドの特産品。オリーブオイル同様に、現地ではとてもメジャーなオイルです。「森のバター」と言われるアボカドのまろやかな味わいが感じられ、そのままサラダにかけても◎。レモンなどのフレーバー付きのものも人気があるそうです。
●マヌカハニー
ニュージーランド土産としても人気のはちみつ。「マヌカハニー」の中でも薬効効果のあるタイプのものは、喉の痛みや風邪、皮膚に塗るのも良いそうで、スーパーのヘルスフードコーナーに並んだり、薬局でも取り扱われています。希少ゆえに粗悪品も多く出回っているので、購入の際は、品質を保証するUMFやMGOの規格がラベルに記載されているかをチェックしましょう。
◇自称「世界で一番アイスクリームを食べる国」
ニュージーランド政府観光局がそうコメントするくらい、大人も子どももみんなアイスクリームが大好き!中でも特に愛されているのが、NZご当地アイス「ホーキーポーキー」。新鮮な牛乳でつくられたキャラメル風味のアイスに、パリパリ食感の香ばしいキャラメル粒がたっぷり入っていて、ポップコーンのような味わいだそう。
【まだまだある!】ニュージーランドの「誰かに話したくなる豆知識」
◇NZのいろいろな「世界初」
●毎朝、世界で一番初めに日の出が見られる国
ニュージーランド北島の北東部にある小さな町・ギズボーンは、日付変更線から西へ493kmに位置しており、「毎朝、世界で一番最初に地平線から朝日がのぼる場所」のひとつとして知られています。
●世界で初めて「女性参政権」を実現したニュージーランド
実は「女性の参政権」は、南半球の島国・ニュージーランドから始まったんです。1893年に世界で初めて認められ、この運動を率いたケイト・シェパード氏は、ニュージーランドの現在の10ドル紙幣の肖像にもなっています。
●世界で初めて「手話」を公用語にしたニュージーランド
ニュージーランドは、2006年に世界で初めて「手話」を公用語にしました。イギリスの手話とアメリカの手話を混合させ、そこに先住民族であるマオリの踊りに登場する手や顔を使った感情表現を取り入れた独自の手話となっています。また、街中の看板や道路標識などにも英語とマオリ語が併記されていることが多く、マオリの文化は日常の中でもとても大切にされています。
◇興味深すぎる!キウイの「実は…」ストーリー
ニュージーランドが果物の輸出大国になったのは、先見の明と努力の賜物!
恵まれた自然環境を活かして国の一大産業とするため、1900年代初頭から商品としての研究開発やマーケティング活動に力を入れ、輸出に適した農産物を栽培したり、品種改良にも積極的に取り組んできました。
実は、あのキウイもそうして誕生した果物の1つなんです。中国原産のマタタビ科の植物「チャイニーズ・グーズベリー」を、ニュージーランドのカリスマ種苗生産者のヘイワード・ライト氏が品種改良し、現在のグリーンキウイ(ヘイワード種)ができました。そして、その「新しい果物」を海外へ輸出し始めるときに、ニュージーランドを象徴する果物としてPRするために、ニュージーランドの国鳥「キウイ」から命名されたそうです。
今や世界中で食べられているキウイは、美味しさはもちろん、パワーフードとしても人気を集めています。でもキウイには、まだまだ未知の可能性が!ニュージーランドの政府機関を中心に、キウイを科学的に研究しながら、独自技術による次世代キウイの開発にも注力しています。パッションフルーツのような風味のものや、唐辛子のように辛味のあるもの、果肉の色も、大きさも、キウイにもさまざまな種類があり、味や栄養素の異なるキウイを交配することで、体に良くて、おいしい、新しい魅力のある次世代キウイが誕生するとのこと。とっても楽しみですね!!
日本にも、2020年に新品種の「レッドキウイ」が上陸しています。店頭に並ぶのは4月下旬~5月下旬だけとのことで、 期間限定の希少品。フルーツ売り場を、ぜひチェックしてみてください♪
◇世界一の星空を守りたい。テカポ湖の「星空世界遺産」登録を目指す
あまりの美しさに感動がとまらないというテカポ湖の星空を見に、世界中から観光客が訪れるニュージーランド。空気の透明度と晴天率の高さや、周囲に人工的な明かりが少ないという条件が整っているため、「世界一美しい星空」と称されています。夜空いっぱいに輝く星は、裸眼でも数千個の星を見ることができるそう。南十字星、天の川銀河の外側に位置する小さな銀河、大小マゼラン雲など、南半球ならではの天体が観測できるのも魅力です。
2012年には国際機関から、レイク・テカポ村を含む4,300㎡の広大なエリアがダークスカイリザーブ(星空保護区)に認定されました。この美しい星空を守り、未来へ残していきたいという想いから、世界初の「星空世界遺産」としての登録を目指した取り組みが行われています。