どうして最初に「目標」の設定が必要なの?
まずは、「目的」と「目標」の定義から。ここがスッキリするといろいろなことが考えやすくなっていきます。
☆目的:最終到達点。何ができるようになりたいかというゴール。
◆目標:目的(最終到達点)に辿りつくために設けた「めあて」。ゴールに到達するまでの目印や指針となるもの。
これを英語育児や子どもの英語教育に当てはめて考えてみましょう。
例えば、こんな感じに。
<例1>
☆目的:英語で誰とでも会話ができて、世界で活躍できるようになってほしい。
◆目標:そのためには、海外留学ができるくらいの英語力を早いうちに身につけさせてあげたい。
<例2>
☆目的:英語を苦手にせず、自信を持って外国の人ともコミュニケーションがとれるようになってほしい。
◆目標:そのためには、英語に日常的に親しんで、簡単な会話程度でもできるようになってほしい。
「子どもに英語を学ばせたい」と思っても、その理由(目的・ゴール)はご家庭ごとに違いますよね。その目的が違えば、当然、目標とする英語レベルだって違う。そうなると、専門の子ども向け英会話教室に週5日通う必要があったり、日々の中で英語に触れる習慣をつけるだけで十分だったりと、英語学習の濃度や学び方も変わってきます。
そう。最初に目的、そこから具体的な指針となる「目標」を整理していないと、そのために最適な学びの環境を子どもに与えてあげることができないんです。(そして、親自身に迷いやブレが出てきて、途中でフェードアウトしてしまったりすることも…。)でも、何のために、どんな英語学習をさせてあげたいのかが見えてきたら、ご家庭で取り入れたい教材や、英語保育を導入する保育園・幼稚園やプリスクールなどの保育施設、習い事などの選択肢もぐんと選びやすくなります。
目標とする「英語レベル」と「到達時期」について考えてみましょう。
◆目標とする英語レベルは?
「何のために英語を身につけさせてあげたいのか?」「英語で何ができるようになってほしいのか?」などの目的が整理できたら、そのために目指したい英語レベルの目標に落とし込んでいきましょう。
<目標とする英語レベルの例>
●とりあえず英語に親しめたらOK(体験レベル)
●単語や自己紹介など少しでも身についたらOK(初級レベル)
●簡単な英会話はできるようになってほしい(日常会話レベル)
●しっかり英語を理解し使えるようになってほしい(中上級レベル)
●ネイティブレベルを目指してほしい(ネイティブレベル)
●多様性や異文化理解を深める経験を重視したい(レベルは問わない)
など。だいたいの感覚でよいので、どのくらいの英語力を目標とするのかを言語化してみましょう。
このとき「日常会話レベル」「上級レベル」のような言い方よりも、できれば「こんなことができるくらいのレベル」のような言い方のほうが具体的にイメージでき、英語保育を導入する園を選ぶようなときにも園に質問や相談がしやすくなるのでおすすめです。
◆いつまでに?
目標とする英語レベルのイメージができたら、それを「いつまでに」達成するのを目指したいかも整理してみましょう。
●小学校に入学するまでに(英語保育を導入する施設に通っている間に)?
●小学生のうちに?
●中学校卒業までに?
●海外留学を目指して、大学入学前までに?
●特に目標期限はないけれど、いつかは身についていたらいい?
あくまでも、これはスタート時点での目標です。目標とする達成時期に向けて、それに必要な英語学習の濃度や環境を知るための整理だと思ってくださいね。もしかしたら、ここを考える過程で、無理な目標設定をしていることに気づける可能性もあります。
どうしてその目標にするのか、その理由を整理してみましょう。
英語を学ぶことや身につけることが、英語学習のゴールではありません。
どうして英語を身につけさせてあげたいのか?
英語を使って、何ができるようになってほしいのか?
だからいつまでに、どのくらいの英語レベルを目標にしたいのか?
それは、どうして?
ご家庭で、ぜひ声に出して語り合ってみてください。
目的や目標を設定することは、難しいことでも、堅苦しいことでもありません。お子さんの将来についての想いを、「英語」というひとつの切り口でカタチにしていくとっても夢のあるステップです。だからこそ、どんなに小さなことでも、気になること、考えていることを、ポジティブにアクティブにすり合わせてみてください。それがお子さんにとっての大きなサポートにつながっていきます。
「目標設定」とは、子どもの英語学習を効果的に、楽しんでいくための準備。Conclusion
目的や目標がどうして大切なのか?
特に、「最初に目標を設定する」ことの重要性についてご紹介してみました。
向かいたい理由が違えば、向かいたいゴールも違う。
向かいたいゴールが違えば、そのための目標も違う。
目標が違えば、それに必要な環境やツールも違う。
でも、何度も言いますが、これはあくまでも「スタート時点での進路計画のため」の整理であって、「絶対ではない」ということを忘れないでください。お子さんのペースと気持ちを一番大切にしながら、親御さんが柔軟な姿勢とあたたかい気持ちで見守り、サポートしてあげること。お子さんを中心に、英語学習を楽しみ続けること。そのための準備が「目標設定」だと考えてみてくださいね。