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英語育児の豆知識
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離乳食から見えてくる!?世界の「子育て観」と「食文化」【イタリア編】

2022年8月17日

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エイゴホイクパーク編集部

編集長

英語育児に役立つさまざまな情報を、幅広いトピックスでご紹介していきます♪

世界の子育て事情を見てみると、赤ちゃんの離乳食にもそれぞれの国の食文化や、健康への意識、子育てについての考え方などが、たくさん詰まっています。まさか離乳食がここまで世界各地で異なっているなんて!と、驚きの連続です。

海外で子育てをする日本人ママ・パパ、日本で子育てをする外国人ママ・パパ、それぞれの国での子育て事情を知っていくことで、見える世界がちょっと変わったり、ワクワクする気持ちや考えさせられることがあったり…。昨日よりもなんだか世界が身近になる【世界のカルチャー特集】をお届けします。

今回は、なんともグルメな「イタリアの離乳食」にまつわるお話です。

ステップ①イタリアの離乳食は、「フルーツ」から始める!?

イタリアでは、4ヶ月頃からフルーツをすりつぶしたもので離乳食をスタートします。これには、イタリアで子育てをする日本人ママたちはとっても驚き!「日本ではお粥からスタートするのに、いきなりフルーツ!?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

食べさせるフルーツは、まずはリンゴ、洋ナシ、プラム、バナナなどから。ご家庭でピューレ状につぶして…ではなく、小児科の先生からは市販品のものを勧められるそうです。その理由は、イタリアの市販離乳食は安全基準が非常に厳しく、瓶詰になっている離乳食用のフルーツペーストも、完全無農薬の果物が使われているからとのこと。やわらかくて、甘いフルーツに、赤ちゃんたちもすぐに慣れて食べてくれるようになるそうですよ。

ステップ②イタリアの離乳食の必需品は「オリーブオイル」&「チーズ」!?

5ヶ月頃からは、スープを食べさせていきます。野菜をじっくり煮だした旨味たっぷりスープが、イタリアの離乳食の基本になるそうです。このスープは「ブロード」と呼ばれ、日本の「出汁」にあたるものとのこと。使う野菜は、ジャガイモ、人参、ズッキーニが中心で、葉物野菜やトマトを加えると風味がアップしてより本格的なイタリアンなお味に。ブロードはパスタやリゾットなど様々な料理に幅広く使われ、離乳食だけでなくイタリア料理全般における「基本」のものとされています。確かに、日本の出汁と同様ですね。

まずは具なしでスープだけを与えるのですが、そのスープにはオリーブオイルとチーズ(チーズの種類の中でも特に、パルミジャーノ・レッジャーノを推奨)を入れるのがスタンダード!イタリアの離乳食には、全般的にオリーブオイル&チーズを使うそうです。

当然、現地の日本人ママたちは、「赤ちゃんにオリーブオイルやチーズなんて、本当に大丈夫なの??」と誰もが困惑するそうです。でも、これにもしっかり根拠があって、イタリアの食文化ならではの食材選びだなと感じます。

◇オリーブオイル

エクストラバージンオリーブオイル(100%オーガニックの赤ちゃん用の特別仕様もあるとのこと)が使われ(1食あたり小さじ1杯程度)、ポリフェノールやビタミンEが多く含まれているので赤ちゃんの体にもとても良いとのこと。しかも、離乳食時に固くなりがちな赤ちゃんのうんちを出させやすくするという嬉しい効果もあるそうです。

◇パルミジャーノ・レッジャーノ(チーズ)

イタリアでよく食べられるメジャーなチーズ。脂肪が少なく、カルシウムが多く含まれているので、離乳食に(小さな子どもにも)最適と言われているそうです。気になる塩分量ですが、パルメジャーノ・レッジャーノに含まれる塩分相当量は100gあたり2.1g程度で、1食あたり小さじ1杯(約5g)=約0.1gを与える計算に。6〜11ヶ月の1日あたりの食塩摂取目安量(日本)は1.5gなので、大きな心配はいらなさそうですね。

日本では、「お粥」が離乳食の基本になりますが、イタリアでは「スープ(野菜のお出汁スープ)」が基本。それぞれ赤ちゃんの消化機能や健康を考えてのものではありますが、その国の食文化の基礎になるものがこうして離乳食にも表れているとも言えますね。

ステップ③6ヶ月頃には「パスタ」デビュー!?

具なしスープに慣れたら、煮だした野菜を裏ごししてスープに加えて食べさせ始めます。6~8ヶ月頃になると、このスープにお米やパスタを加えていきます。日本の「お粥」にあたるものですね。

お米やパスタと言っても大人が食べるものと同じではなく、粉末状になったものをスープに溶いていくスタイルです。「お米の粉」「セモリナ粉」「トウモロコシの粉」が主流で、パスティーナという粒状の小さなパスタもよく使われるそうです。(パッケージに「4ヶ月~」「6ヶ月~」などのように対象月齢が記載された赤ちゃん用のものが市販されています。お米の粉は、4ヶ月頃からミルクに溶かして与えることも多いとのこと。)

パスティーナは、普通のパスタと同様に茹でてからスープに加えたり、お肉などのピューレと混ぜて食べさせたりと幅広くアレンジ可能。茹で時間も短く、使い勝手もよいことから、イタリア在住のママから日本のママ友への贈り物としても大人気だそうです!

ステップ④離乳食に、仔羊、うさぎ、七面鳥…!?

スープと野菜が食べられるようになったら、次は「肉」。お肉もフルーツ同様に、瓶詰の市販品を食べさせることが推奨されているとのこと。混ざり物のない純粋なお肉のペーストになっていて、そのままでももちろん、具材としてお料理に使っても、どちらでもおいしく食べられるそうです。

そしてもう、ここもさすがイタリア!離乳食用にペースト状に加工されたお肉の瓶詰は種類も豊富で、そのラインナップに思わず目を疑ってしまうほど。イタリアではお肉は5~7ヶ月でスタートするのですが、最初は淡白なお味のうさぎ、仔羊、七面鳥などから始めることが王道だそう!その後に、仔牛、牛赤身肉、レバー、鶏肉、馬肉などなど…。

日本の感覚では「贅沢!グルメすぎる!」と思えてきますが、そこがイタリアとの食文化の違いなんですよね。日本では縁の遠い食材であっても、イタリアでは赤ちゃんが食事を覚えていく初期段階で登場してくるほど身近な食材で、日常に浸透しているということ。もしかしたら、私たちが日本で当たり前に食べているものも、世界から見たらすごく贅沢に思われている食材があるかもしれませんね。

ちなみに…。5~7ヶ月の赤ちゃんに仔羊やウサギなんて大丈夫…?と心配されるかもしれませんが、脂肪が少ないので小さな子どもが食べるお肉としては良いものとされているそうです。

ステップ⑤イタリアでは1歳になったら大人と同じような食べ物を与えてOK?

フルーツ、野菜、お肉、お米やパスタと食べられるものが増えてきたら、メレンダと呼ばれる「おやつ」の時間が始まります!日本では3回食を食べるようになってからおやつですが、イタリアでは「2回食とおやつ」だそう。「ドルチェ(イタリア語で、甘いお菓子やデザートのこと)」を愛するイタリアの食文化が離乳食にも入ってきているということでしょうか。とはいえ、離乳食の中でのおやつは、フルーツや無糖ヨーグルトを昼食と夕食の間に与えるといったものだそうです。

そして離乳食後期になると、卵や、プロシュートコットというボイルハムを食べさせ始めます。赤ちゃん用の塩抜きの生ハムペーストも市販されているそうです。

1歳頃になると、フォカッチャや、ピザも、少量ずつ食べるように!2歳頃には多くの子どもたちがチョコレートも楽しむようになるとのこと。イタリアでは、「1歳になったら、大人と同じように食べ物を与えてOK」という考え方があるからだそうです。

海外で子育てをする日本人ママの言葉で印象的だったのは、「お互いの国の食文化を理解しあうことは、外国での子どもの食生活において本当に大事なこと」「どちらの国の食文化も尊重しつつ、子どもの健康を一番に考えてあげられたら最高!」などのメッセージ。本当にそうですね!

「離乳食」は、グローバルな相互理解にとって最適なトピックスなのかも!Conclusion

離乳食はどこの国でもだいたい同じなのでは…?と思っていたら、こんなにも違いがあるものなんですね。食材はもちろん、与え始める時期や順番、子育てに関する考え方まで、それぞれの国の食文化や習慣、気質なども深く関連しているようです。日本では当たり前だと思っていることも、海外ではそうでなかったり、その逆もしかり。イタリアのママ・パパから見ると、日本式の離乳食の進め方は少し厳しすぎると感じられるそうですが、日本のママ・パパにとってはそれでも心配で、とっても慎重に進めていく方が多いのではないでしょうか。

だけど、どちらの方が良いということではなく、誰にとっても一番は「ママ・パパが自分の子どもにとって最善だと考える方法で、子どもと向き合いながら、その子のペースで進めていくこと」。離乳食から始まる食育には、そうしたママ・パパの愛情はもちろん、それぞれの国の食を含む文化や、気候や歴史の延長線にあるその国ならではの食材や調理法など、一人ひとりのルーツやアイデンティティを構築していくたくさんの要素が織り込まれているんですね。知らず知らずのうちに、私たちは子どもにそれを伝え、子どもも自分のものにしていっている。だからこそ、離乳食というテーマを通じて、世界のママ・パパがコミュニケーションしてみると、いろんなことが見えてくるかもしれません。異なる国の方とでも、日本の方同士でも、新しい発見があるかもですね!早速誰かと、話してみませんか。

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