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英語育児の豆知識
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フィンランドの英語教育に学ぶ、英語との「ハッピーな関係性」って?

2022年12月28日

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エイゴホイクパーク編集部

編集長

英語育児に役立つさまざまな情報を、幅広いトピックスでご紹介していきます♪

なんと、フィンランドの小学生の英語力は、「日本の大学生を上回るレベル」とも言われているほど、フィンランドも英語教育で高い成果をあげている国なんです。

注目すべき点は、主な公用語であるフィンランド語は日本語と同様に、文法や発音など「英語とはかなり遠い言語」でありながらも、高い英語力を身につけることに成功しているということです。世界最大級の英語教育組織「EF Education First (EF)」が毎年実施している、英語を母語としない国・地域に住む成人の英語力を測るテストにおいて、2021年では200ヵ国以上のうちフィンランドは9位(ちなみに、日本は78位…)。では一体、その秘訣は何なのか!?今回は、そんなフィンランドの英語教育事情をご紹介していきます。

【基本情報】フィンランドってどんな国!?

フィンランドの英語教育をご紹介する前に、まずはフィンランドについて。
知っていることって、意外と少ないかも…!?

◇フィンランドといえば…?

「フィンランド」と聞いてまず思い浮かぶのは、北欧、オーロラ、世界幸福度ランキング1位、サンタクロース、ムーミン、サウナ…などという方が多いのではないでしょうか?

他には、こんな特徴もあるんです。

・牛乳が大好き(食事の時には牛乳!消費量は世界2位!※2019年)
・フィンランドを代表するおやつは「シナモンロール」(各家庭の味があるそう!)
・国土面積は、日本と同じくらい(33.8万㎢)
・世界で一番「空気がキレイ」!(WHOのデータによる)
・学校では2月に「スキー休暇」がある!
・プリスクールから大学院まで学費無償!
・大学まで受験なし、成績の順位付けもなし、塾もなし!
・小学校でも「留年」は当たり前(その学年で目標としている学力を身につけてから進級する!)
etc…

気になる特徴はありましたか?
もっといろいろ知りたくなってきたところですが、とりあえず次のテーマへ!

◇フィンランドの言語環境は?

・公用語:フィンランド語、スウェーデン語
・人口:約550万人(2018年時点)

2つの公用語のうち、人口の90%がフィンランド語話者で、スウェーデン語話者は5%ほど。人口約550万人と国内の市場規模は大きくないので、ほとんどの企業で他国との取引きは当たり前。近隣の国の一部でもフィンランド語を話すコミュニティはありますが、経済活動をはじめ他国と関わっていくにはそこで使える「外国語」を身につける必要があります。そのため、英語の他にも、フランス語やドイツ語なども外国語の授業で学ばれています。

ちなみにフィンランド語は、隣国のエストニア語と似ているそうです。言語学的にはハンガリー語やトルコ語とも親戚関係にありますが、どれも日本で生活しているとなじみのない言語…。せっかくの機会なので、「フィンランド語ってどんな感じなのかな?」と気になった方は、インターネットで検索してぜひ音声で聞いてみてくださいね!

実はフィンランド語の音の響きは、日本では「かわいい!」というイメージがあるそうです。ますます聞いてみたくなりますね♪

フィンランドの「英語を学ぶ環境」で注目すべき2つのポイント

日本と同様に、言語学的に「英語とは遠い言語」が主な母国語となっているフィンランド。にもかかわらず、高い英語力を身につけられている背景には、大きく2つのポイントがあるようです。

◇ポイント①学校での質の高い英語教育

前述した通り、フィンランドでは「外国語」を身につける必要性が高く、学校教育において外国語教育にはかなり力が入れられています。外国語の授業は小学校3年生からスタート。第二外国語の選択肢には、英語、フランス語、ドイツ語などがありますが、その中から「英語」を選択することがほとんどです。

驚くべきことにフィンランドでは、日本よりも少ない授業数で高い英語力を獲得しています(※)。そんなフィンランドの英語教育の大きな特徴は、

●大量にインプット!
●文法重視!小学校からしっかり学ぶ
●教科書が充実!授業の仕組みにも多くの工夫がある

詳しくはのちほどご紹介していきますが、「成績を競い合わない」「塾もない」「英語の授業数は日本より少ない」という環境を考えると、授業の質の高さはもちろん、英語学習への向き合い方にも秘訣がありそうです。

※小学校~高校までの外国語の授業数
・フィンランド:684時間
・日本:928時間(2020年以前の旧カリキュラムでの時間数)

◇ポイント②英語との出会い方・関係性

フィンランドは人口約550万人と国内の市場規模が大きくないため、映画やドラマ、子ども向けのテレビ番組などは、国内で製作されるものは少なく、ほとんどが英語圏の国から輸入されたものとなっています。その他の娯楽においても同様に英語版の輸入が一般的なので、子どもから大人まで、それらを楽しむためには英語が必要。つまり、日常生活の中で常に「楽しむための英語」がそばにあるのです。このように、子ども時代の英語との出会いが「勉強するもの」としてではなく、「楽しむためのもの」「生活の中にあるもの」であり、大人になってもその関係性をずっと持ち続けられるというのが、ポイントですね。

こちらも詳しくはのちほどご紹介していきます。

フィンランドでは、中学1年生からはスウェーデン語の授業も始まるのですが、それとは別にもう1つ新たな外国語の授業を選択することができ、高校でもさらにもう1つ新たな外国語の授業選択が可能。学校教育の中で5ヵ国語を学習していくことができます。

英語だけでなく、複数の言語が学べる教育体制があることからも、「外国語を学ぶ」ことが子どもの頃から当たり前のものになっていることがわかりますね。

フィンランドの学校の「英語教育」は、ココがすごい!

フィンランドでは、小学校3年生から英語の授業をスタートし、「小学校5~6年生で英語が話せるようになること」を目標にカリキュラムが組まれているなど、学年ごとの明確な達成目標をもとに小学校~高校までの英語教育が計画的に行われています。

一体どんな内容なのでしょうか!?高い英語力を身につける「フィンランド式の英語教育」の特徴をチェックしていきましょう!

◇大量にインプット!

ここがとにかくすごい!日本では、小学校~中学校で扱う語彙数は1,500語程度(2020年以前の旧カリキュラム)なのですが、フィンランドでは同じ期間で12,000語程度(日本の約8倍!!)の英単語に触れます。英文についても同様で、日本の小学校~中学校で扱う英文数は1,400文程度(2020年以前の旧カリキュラム)に対し、フィンランドでは10,000文超(日本の約7倍!!)。

小学校~中学校の9年間だけでこれだけ大量のインプットをしているんです。ただし、これらの全てを暗記させることが目的ではありません。たくさんの英語のシャワーを浴びさせることが目的なので、子どもたちも「テストのために覚えないと…」というプレッシャーを感じることなく、たくさんの英語に触れ、親しんでいくことができます。

◇文法重視!小学校からしっかり学ぶ

フィンランドでは、小学校5年生の授業から英語の「文法」を学び始めます。フィンランド語は、英語とは言語体系が大きく異なるため、文法学習をとても重視しているのです。小学校5~6年生で、時制なども含めた基本的な文法を一通り学んでしまうとのこと。きちんと英語を話せるようになるには、早いうちから文法という「ルール」を学ぶことも大切で、これがその後の英語学習をよりスムーズにすると考えられているようです。

◇教科書が充実、授業の仕組みにも多くの工夫がある

学年ごとの明確な達成目標をもとに小学校~高校までの英語教育が計画的に行われているとお伝えしましたが、これは、教科書やワークブック、授業での指導方法などにしっかりと落とし込まれています。

教科書やワークブックは、大量の語彙や英文に触れられるだけでなく、それをしっかり理解して吸収していくための練習問題の量もかなり充実!しかも、子どもが楽しんで主体的に学べるような工夫がされているため、フィンランド国外からも注目を集めています。また、遊びながら学べるアクティビティや、グループワークで学びを深めていくような活動なども豊富に取り入れられているそうです。

こうした計画的な英語教育で、高校卒業時には、英語4技能「聞く」「話す」「読む」「書く」のすべてで、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB2レベル(学問上や職業上の目的で柔軟かつ効果的に言語を用いることができるレベル)への到達を実現していきます!

フィンランドの日常にある「子どもの英語学習に大きな効果を発揮している」ものとは!?

先ほど少しご紹介したように、フィンランドでは子どもの頃から、「娯楽」と「英語」はセットになっている環境で生活をしています。ここでは特に、「子どもが英語を身につける上で大きな効果を発揮している!」と、国内外から注目されている2つの娯楽についてご紹介します!

◇テレビ・アニメ・映画

フィンランド国内で制作されているテレビ番組や映画などはとても少なく、アメリカやイギリスをはじめとする英語圏の国々から輸入したものが視聴されています。子ども向けのアニメも同様で、子どもたちも、英語の音声のまま、フィンランド語字幕で視聴しています。(映画の場合、まだ字が読めない幼児向けのものは吹替版が作られますが、字が読める学齢以上の子ども向けのものは原則字幕対応となるそうです。)

小さい頃から日常的にネイティブの英語の音声を耳にし、英語圏の文化にも親しんでいるので、フィンランドの子どもたちにとって、英語は特別なものではなく、「楽しいもの」の一部となっていきます。好きなアニメの中に出てくるお気に入りのフレーズを真似したり、何度も繰り返し視聴するうちに、遊びながらインプットとアウトプットをしていたり、ストーリーの中で使い方を理解したりと、母国語を身につけるときと同じように自然な流れで英語を身につけることができる環境があります。

◇ゲーム

フィンランドでは、ゲームも輸入が一般的です。フィンランド語に翻訳されることは稀なため、多くの場合、英語版のソフトを購入したり、英語版のアプリをダウンロードします。そのため子どもたちは、ゲームで遊ぶためにも英語が必要なのです。子どもにとって「ゲームで遊びたい!」というモチベーションは最強。ゲーム画面に映し出される文字も、音声も、遊び方の説明も、すべて英語なので、ゲームを進めていく中で自動的に新しく出会った単語やフレーズを覚えたり使ったりを積み重ねていきます。

「英語を勉強している」という感覚ではなく、「英語で遊んでいる」という「英語のツール化」を自然と実践することで、英語を学んだり使ったりすることが当たり前のことになっていきます。

英語のアニメやゲームが子どもの日常にあることで、それが高い英語力獲得に繋がっているというのは、フィンランドだけでなく世界の多くの国で事例があるそうです。

でもそこで大切なのは、大人が一方的に与えて遊ばせるのではなく、子ども自身が遊びたいと思って夢中になること。ご家庭で取り入れる際は、お子さんの興味にぴったりはまるものを選ぶのがポイントです!

【参考にしたい!】フィンランドの「教育」に対する素敵な考え方

とても熱心に英語教育を行っているフィンランドですが、そこにはすごく素敵な考え方が貫かれています。

フィンランドでは、英語だけでなくすべての教育において、学びは「誰かに勝つため」ではなく、「幸福を追求するため」にあるとされています。だから、成績の順位づけもしない。テストのための暗記もいらない。一人ひとりの学びのペースを尊重し、目標レベルに到達できてから進級する。

それがフィンランドを「世界一の教育水準を誇る国」にしているのです。

「世界幸福度ランキング1位」のフィンランドの、学びに対する素敵な考え方。テストの点数や競争のためではなく、「英語を学ぶとどんな幸福を追求することができるか」を大切にする姿勢を、私たちも大事にしていきたいですね。

英語との「ハッピーな関係性」をつくっていこう♪Conclusion

地球にはいろんな言語があって、みんなそれぞれいろんな言語を話しています。

それぞれの母国語や文化を大切にしながらも、
自分とは異なる言語・文化の人やものと繋がることができれば、世界が広がる!
その価値や楽しさを知っていると、「外国語」を学ぶ大きなモチベーションになる!

だから外国語を学ぶことって、テストの点数のためじゃなく、
「楽しみとセット」になっているんだ!と思えたら、最強ですよね♪

高い英語力を身につけるには、確かに学習量や質は重要ですが、
「楽しむこと」「学ぶ目的」が欠けていたら、
英語は、学びたいものにも、使いたいものにもならないかもしれません。


フィンランドの「英語を学ぶとどんな幸福を追求することができるか」を大切にする姿勢。
日本にいる私たちもこの姿勢を参考に、日々の中で、英語との「ハッピーな関係性」をつくっていけたらいいなと思います!

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