【フィンランド】子どもと過ごせる貴重な時間のために。小さなことでは「しからない」
フィンランドでは、子どもはしかるよりも、「見守る」という方針があるそうです。その背景の一つとして挙げられているのが、男女平等がしっかりと社会に定着していて女性の就業率も8割以上の「共働きの国」であること。1歳頃から保育園に預け、家族団らんの時間も限られている…。だからこそ、子どもと過ごせる貴重な時間を大切にしたいという想いから、ささいなことでしかったり、他の子どもと比べて叱咤激励するよりも、しっかりその子を見守りながら、優しい気持ちで接する中で育まれるものを大事にしたいという傾向にあるようです。
30年ほど前までは、フィンランドでもしつけは厳しい面があったそうなのですが、社会の変化に伴い、しつけに対する考え方や、親子の時間のあり方へも変化が起きているとのこと。2ヶ月ある子どもの夏休み期間に行われるサマーキャンプも、宿泊なしの日帰りスタイルを選んだり。午前中はお友達とスポーツを楽しんで、午後には帰宅し家族との時間を過ごす。一緒にいられる時間が短いからこそ、家族との時間を大切に、親は子どもにどう接していたいかを問いかけながら、「我が家」の子育てをしていく。そんな姿が伺えます。
【オーストラリア etc】自分で考えられるように。悪いことをしたら「タイムアウト」
オーストラリアや、アメリカ、カナダなどでは、子育ての中で「タイムアウト」がよく出てきます。子どもが駄々をこねたり、ケンカをしたり、何か悪いことをしたりしたら、「タイムアウトしてきなさい」と言って、子どもが一人になって考える時間をつくるのです。部屋の隅や子ども部屋などで少しの間一人になることで、自分が悪いことをしたと気づいたり、自分の気持ちを整理したり、相手の気持ちを考えたりします。
独立心が重視される欧米においては、親が事細かに言って聞かせるよりも、子どもが「自分で考え、自分で行動する力」を養っていけるように導くことが、子育ての軸にあるからです。
【アメリカ】自己肯定感とチャレンジ精神を育む「ほめる」習慣
タイムアウトのような「一人になって考えさせる」反省スタイルの一方で、「ほめる」ことも非常に大事にしているアメリカの子育て。子どもが何かを上手にできたり、成長を見せたりしたときだけでなく、日常の中のささいな「いいね」という瞬間も取りこぼさず、ほめる言葉を欠かしません。ハイタッチをしたり、ハグをしたり、スキンシップも大切に。
頑張った結果ちょっと失敗してしまっても、「よかったよ!」とハグしてあげたり、「あなたならできる!」と言葉にし続けてあげたり、いつもあなたの味方であると伝えることを日々の中にたくさん盛り込みます。ほめることで子どもは嬉しくなってまたやろうと思えたり、同時に、自己肯定感が育まれることでチャレンジ精神も育っていきます。
【イタリア】イヤイヤ期は「感情の解放」だと考える
イタリアでは、自分の感情を外に出すことが大切だという考え方があり、小さい子どもが泣いたり、わがままを言って駄々をこねる時にも、その考え方が当てはめられるそうです。家の中でも、家の外でも、それは変わらず。たとえ魔のイヤイヤ期であっても、「今この子は、感情を解放しているんだから!いいことよ!」という解釈であたたかく見守るそうです。
親はご機嫌をとるよりも、泣き止むのを「待つ」。周囲の人もそんな気持ちで受け止めてくれるからできることなのかもしれませんが、たしかに子どもの「感情の解放」だと捉えれば、イヤイヤ期との向き合い方も何か少し変わるかもしれません。「待つのも子どもにとってありよね」とポジティブに思えたら、泣き止んでくれない…という苦悩が、ちょっとだけでも和らぐヒントにできそうな気がします。
世界には「こんな考え方や方法もあるんだ。」知るだけでも、大収穫!Conclusion
今回ご紹介したのは、あくまでもほんの一例。それぞれの国の文化や、それぞれの家庭で、みんな違ってあたりまえ。そんな中から、「そっか。こんな考え方やしつけのスタイルもあるんだ。」と知るだけでも、大収穫!これだけが唯一の正解なんてないし、世界を見渡せばいろんな子育て観がある。「じゃあ、我が家はどうしていきたいかな?」でいいと思いませんか。
世界のママ・パパの子育てから、いろんな視点の持ち方を知って、ちょっとだけ視野が広がって、また改めて「我が家の子育て」を大切に想う。その流れが、ついつい内向きになってしまいがちな視野や心を、外の世界へと広げてくれる。子どもたちだけでなく、ママやパパも、世界中のいろんな人といろんな話をして、お互いに「あ!そっか!」「へー!そんな考え方もあるんだ!」なんて交流しあえたら、とても素敵ですね。