インドの英語力は?
グローバルに活躍するには、「英語」は必須!
ということで、まずは「インドの英語力」からチェックしていきましょう。
◇世界で2番目に「英語を話せる人」が多い国、インド!
世界共通語である「英語」を話せる人(英語人口)は、グローバル化が進むにつれこれまで以上にどんどん増えていっています。
そんな英語人口が最も多い国はもちろんアメリカ合衆国ですが、2位はなんとインドなんです!インドでは1億人以上の人が英語を話すことができ、世界のビジネスシーンでも大きな存在感を放っています。
◇インド人の英語レベルはどのくらい?
インド英語は「ヒングリッシュ(ヒンディー語訛りのある英語)」と言われることもあるように、クセが強いというイメージを持たれがち。では実際、1億人以上も英語が話せるインド人の英語レベルはどのくらいなのでしょうか?
●訛りはなく、ネイティブのように流暢な英語を話すことができるレベル
●少しインド独特の訛りがありながらも、国際的なビジネスの場に溶け込める英語レベル
●強い訛りや文法的に正しくない部分はあるが、英語でコミュニケーションがとれるレベル
など、それぞれに英語レベルの差はありますが、世界を舞台にビジネスをしたり、大手企業や高度な専門知識を要する業界で働く人のほとんどは、ネイティブレベルの英語力、または少しクセはありつつも非常に高い英語力があるとのこと。
それに、強い訛り&文法的に正しくない英語を話す層でも、日本人のビジネス英会話よりも高いレベルの人が多いと言われています。
特にインドの大都市では近年、「英語のみを話す人」「英語を第一言語とする人」「英語を第二言語として十分使うことができる人」が急速に増えているそうです。
【インドの英語教育】幼児期から「英語で」学ぶハイレベルな一貫教育
◇どうしてそんなに英語が話せるようになるの?
インドでは、英語での教育に力を入れている私立学校がたくさんあります。英語を学ぶだけでなく、「英語で」学ぶのがポイントです。都市部の私立学校では、幼稚園から12年生(日本の高校にあたる)までの一貫教育で、英語の授業によるハイレベルな教育が行われています。
そのため、経済的に余裕のある中間層以上の家庭の子どもたちは、こうした私立学校やインターナショナルスクールに通って、小さいうちから英語で教育を受けていきます(※1)。
大学でも英語で授業が行われるので、それまでに英語を習得するのは必須。よりレベルの高い大学で高度な知識やスキルを身につけることができれば、インド国内においてはもちろん、世界を舞台に活躍することができます。「英語力が、将来の職業の選択肢をとても大きく左右する」ということもあり、幼稚園から私立の一貫教育校に子どもを通わせたり、もっと小さいうちからプリスクールなどで英語の教育をスタートするのも一般的になっています(※2)。
※1:人口14億人のインドでは、経済格差が激しいのも事実。英語人口が1億人と言ってもこれはインド国民の約10%程度で、中間層以上の人々がそのほとんどと言えます。
※2:中間層以上の家庭において。
【インドの幼児教育】その内容とは?
「英語でのエリート教育」の中で、英語力はもちろん、高い学力やコミュニケーション力を育んでいくインドのハイレベル教育。幼児教育においてもその質の高さには定評があるのですが、どんな内容になっているのでしょうか?
◇3歳から義務教育。1歳から英語での幼児教育もスタンダード(※3)!
インドでは2020年の教育改革で、義務教育は「3歳から」の15年間となりました。それまでは6歳からの小学校が義務教育のスタートだったのですが、もともと盛んだった早期教育をより重視するようになり、未就学児向けの教育施設(プリスクールや幼稚園)も国の教育プログラムに組み込まれることになりました。
■プリスクール
・主な対象年齢:10ヶ月頃~4歳
1歳~1歳半頃になると、プリスクールに入園させる家庭も多いそう!まずはプリスクールに通わせて、英語を含む早期幼児教育をスタート。歌やダンス、読み書きの基礎教育、その他さまざまなアクティビティなどがあり、英語環境の中で過ごしていきます。
■幼稚園
・主な対象年齢:3歳~6歳
「幼稚園」単体の施設は少なく、ほとんどが高校までの私立の一貫教育校。プリスクールよりも学習面の要素が多くなります。
※3:中間層以上の家庭において。
◇ハイレベルすぎる!インドの幼児教育
インドのプリスクールや幼稚園は、「質の高さ」にも磨きがかかっています。
モンテッソーリなどの幼児教育メソッドや、IPC(International Preschool Curriculum)などの国際的な幼児向け教育カリキュラムなどを採用しているスクールも多く、英語力だけでなく、世界基準での多様なハイレベル教育を提供しています。
そこに、「IT大国&人材輩出大国・インド」ならではのカリキュラムとして、4~5歳からはパソコン操作やプログラミングなどの「IT教育」や、2桁の掛け算・割り算などの「算数教育」も!さらには、「英語での発表やプレゼンテーション」なども幼児教育の一環として行われています。
世界に広がる「インド式インターナショナルスクール」は、なぜ人気?
インターナショナルスクールは、欧米式だけではありません。国ごとの教育システムや文化などが反映され、それぞれに特徴や魅力があるんです。そんな中でも「インド式インターナショナルスクール」は、世界各地に展開され、様々な国出身の子どもたちが通う人気校となっています。
◇インド式教育の特徴
インドの幼児教育の中でご紹介したように、インド式教育(※4)はとにかくハイレベル!
国際的に認められた教育カリキュラムをベースに、「英語の教育」と「英語での教育」、インドの強みである「IT教育」や「理数教育」にも力を入れ、さらには世界を舞台に活躍するためのスキルとして「英語でのプレゼンテーションやディベート」などもかなり重点的に取り扱います。幼児期からスタートして、年齢に応じてレベルを上げていき、「親しむ→興味を持つ→しっかりと理解する→発展的な内容に挑戦する」という流れの中で着実にスキルとして身につけていくため、結果としてハイレベルな領域に到達できるということですね。
IT教育を例にとると、4~5歳のスタート時では、まずはパソコンを触ってみるところから。学年が上がるにつれ授業の中で、図形を描いてみる→キーボードでのタイピングに慣れる→少しずつプログラミング言語を学習するといった感じで進めていき、12歳頃までには基本的なプログラミングが一通りできるようになるそうです。すごい!そこからさらに専門的な内容へと深めていきます。
他にも、ヨガやチェスなども取り入れられていることが多いそう。ヨガの授業も5歳頃から始まり、呼吸法や精神統一法、ポーズなどを本格的に学んでいきます。ヨガは、インドの文化的な要素を学べるグローバルな視点での教育という面だけでなく、心身を健やかに保ったり、集中力を高めることにつながるため、高い学習効果をもたらしたり、将来ビジネスの場でも役に立つ力になります。
※4:インドの私立学校での教育。
◇世界に広がる「インド式インターナショナルスクール」
こうしたハイレベルな教育そのものも高く評価されているインドですが、世界中でインド出身の優秀なITエンジニアが活躍していたり、Googleやマイクロソフトなどの超大手グローバル企業の経営層にもインド系のハイクラス人材が多数いるなど、インド式教育の成果も大きな注目を集めています。
そうしたこともあり、世界各地にある「インド式インターナショナルスクール」は、インド系の家庭だけでなく、欧米諸国やアジアなど様々な国出身の外交官やグローバル企業の駐在員ファミリーなどからも人気の高いインターナショナルスクールになっているんです。
◇実は、日本でも人気!
日本にも現在、東京、横浜、京都にインド式インターナショナルスクールがあります。日本人の子どもも通うことができ、「英語力だけでなく、ハイレベルな数学やIT教育が受けられる」のが魅力として人気が高まっているそうです。
【参考にしたい!】インドで大切にされている「世界にはばたく力」の育て方
インドは教育熱心な国で、幼児教育の段階から将来を見据えてハイレベルな教育を行っていて、激しい競争社会であることも事実です。でもその一方で、「こういう精神って素晴らしいな」と思うインド人の気質についてもご紹介したいと思います。
◇Not 完璧主義!
英語に訛りがあったり、文法が多少間違っていたって気にしない!大事なのは、相手に自分の考えや気持ちを伝えて、相手の話も聞き取ろうとすること。お互いに完璧な英語である必要はない。英語という「共通言語」があれば、コミュニケーションは誰とだってできる。そこから関係性の構築やビジネスが広げられる。だから、小さなことは気にせずどんどん英語で話そう!そんな大らかな姿勢が根付いているそうです。
発表やプレゼンテーションの練習を幼児教育から取り入れているのは、人前で話して「自信」を養っていくため。自分に自信を持つことで、コミュニケーション力や行動力につなげていきます。
◇とにかくやってみる!トライアンドエラーで動き続ける!
考えるのに時間をかけて動きが遅くなるよりも、先手を打つことの方が大事。やってみて上手くいかなかったら、別の方法を試す。別の相手にアプローチする。動きながら考える!だから幼児教育や学校教育の中でも、チャレンジする場がたくさん用意されています。